探偵に調査を依頼しようと検討したとき、気になるのは、個人情報が外に漏れてしまうのではないか、ということではないでしょうか?
探偵事務所に依頼する内容は、他人には知られたくないような重要な個人情報を含むものになりがちですから、そういった点が気になる方が多いでしょう。
今回は、探偵事務所はどのように個人情報を漏洩させないための対策を行なっているのか、を解説していきます。
探偵事務所に仕事を依頼したいけれど個人情報の漏洩が心配、という方は本記事をぜひ参考にしていただければと思います。
探偵事務所を開くとき、すべての探偵事業者は探偵業法に基づいて届出を出す必要があります。
探偵業法とは、探偵業にまつわる法律がまとめられているもので、そのなかには、個人情報保護の項目が盛り込まれています。
つまり、個人情報保護は探偵の義務であり、顧客の情報が第三者に漏れることはあってはなりません。
この法律に違反した場合、行政処分がくだされ、探偵事務所は営業停止になるか廃業に追い込まれます。
そのため、ほとんどの探偵事務所は個人情報保護のための対策に力を入れています。
探偵事務所は、依頼時に得た情報を調査目的以外では使用しないことを徹底しています。
情報の利用を徹底的に制限し、利用目的を達成して一定期間経過後、適切に破棄しています。
また探偵事務所は、調査員、事務員に個人情報を保護する義務を説明し、啓発活動を行うように努めています。
加えて、個人情報漏洩などの懸念に対し依頼者から問い合わせがあった場合には、適切に対応できる窓口を設けています。
次に、具体的にどのような対策をして情報漏洩を防いでいるのか、についてみていきましょう。
印刷物、手書きの紙を残していたら、情報が漏洩してしまう可能性があります。
個人情報が記載された紙をそのままゴミステーションなどに捨ててしまうと、そのゴミが漁られてしまった場合、情報漏洩につながります。
そのため、情報を復元できないように始末することが重要です。
シュレッダーにかける、という方法もありますが、本当に重要な情報の場合、シュレッダーにかけても修復されて情報が盗まれてしまうかもしれない、という懸念は残ります。
そのため、特殊なシュレッダーを使用し、復元できない形に裁断する探偵事務所もあります。
また、近年よく使われるのが溶解廃棄です。
溶解廃棄を依頼すると、個人情報が記載された紙を、格納したダンボールごと溶かして処分するため、情報漏洩の心配がありません。
ネットワークに繋がったパソコンから情報が漏れてしまう危険性もあります。
探偵が使用しているパソコンからハッキングなどにより情報が抜かれた場合、その探偵事務所の信用は地に落ちます。
そのため、探偵事務所のパソコンは一般家庭にあるパソコンよりもセキュリティに重点がおかれています。
また、セキュリティソフトは年に数回見直すなど、情報が漏洩しないように徹底しています。
社内で使用するパソコンには、通常アクセス制限が掛けられます。
パソコンにログインする場合IDとパスワードが必要ですが、どのIDを使用しているかによって、「このファイルはアクセスできる」「このファイルはアクセスできない」というように、社内の人間でも不要な情報にアクセスできないようにします。
これにより、社外の人間はもちろん、社内から情報を盗もうとする人間に対しても対策を行っています。
アクセス制限だけではなく、USBメモリーなどの外部記憶装置の使用を制限している探偵事務所も多いようです。
外部記憶装置を厳密なルールのもと社内以外では使えないようにしておき、ブラウザメールやファイル共有サービスにもアクセスできないようにしておけば、情報持ち出しの可能性を限りなく低く抑えておくことができます。
もちろん従業員とは秘密保持契約を結びます。
探偵事務所の従業員には、通常依頼者の情報などをたとえ親しい人であっても話してはならない、という教育が行われています。
今回は、探偵事務所が個人情報をどのように守っているのか、について解説してきました。
本記事を読んでも、まだ探偵事務所が信用できない、という場合は、探偵事務所と契約を結ぶ際の契約書を読んでみましょう。
そこにも、個人情報保護について記載されているはずです。
探偵事務所は、顧客の個人情報を保護することを法律で義務付けられています。
それを守れない探偵事務所は、その他の決まりや約束についても、守れない可能性があります。
探偵事務所を選ぶ際は、過去に法律を破って処分を受けていないか確認するなど、十分時間をかけることをおすすめします。