別居を長期間しているけれど、離婚しない夫婦っていますよね。
なぜ、同居していないのに、婚姻関係を解消しないのでしょうか?
それは、離婚しない方が様々なメリットがあるケースも多いからです。
今回は、別居しても離婚しない理由と、メリットについて解説していきます。
別居してから離婚するべきか、別居を始めるべきか、など別居について悩んでいる方は本記事をぜひ参考にしてみてください。
まずは別居した夫婦が離婚しない理由を3つご紹介します。
離婚後、子供を一人で養うと生活が困窮するため、離婚できない、というケースもあります。
別居しているだけで離婚していない場合、所帯は別れるため同居よりも生活費はかさむことになりますが、夫婦のうち収入が低い方は高い方に婚姻費用を請求できるため、すぐに貧困に陥るということはありません。
日本の夫婦が離婚するとき、9割以上の場合において女性が親権を獲得していますが、シングルマザーの相対的貧困率は50パーセントを超えているという調査があります。
つまり子供をつれて離婚した場合、貧困に陥るケースも多いと言えます。
こういった事態を避けるために、別居して婚姻費用を受け取りながら子供を育てる、といった選択をとる場合もあります。
離婚はしたいけれど、離婚したと世間に知られたくない、と考える人もいます。
現代では離婚はあまり珍しいことではなくなりましたが、地域柄あっというまに離婚が近所の噂になってしまうような土地もまだまだあります。
また、好奇心で突き回されたり、根も葉もない内容の噂が流布されて白い目で見られる可能性すら存在します。
そういった世間からの風当たりを避けたいがために、なかなか離婚に踏み切ることができない、という人もいます。
子供が育つにあたっては、両親が絶対に必要だ、離婚をしたら子供がかわいそうだ、と考えて離婚しないケースもあります。
親の不仲を間近で見ているくらいなら離婚してくれた方がよい、と考える子供もいれば、そうでない子供もいます。
同じように、片親では子供がかわいそう、という価値観を持っている大人ももちろんいます。
そのため、子供が成人してから離婚しよう、と考える夫婦もいるのです。
次に、別居しても離婚しないメリットを紹介していきます。
別居した場合、相手の分の家事をする必要はなくなります。
これまで相手の生活区域まで掃除を行っていた場合は自分の分だけになりますし、食事をつくることも、シャツにアイロンをかけることも自分の分だけ行えば良くなります。
家事負担が多い側の立ち位置だった人には、とても大きなメリットと言えるでしょう。
離婚に踏み切らない場合、夫婦のうち収入の低い側の人は生活費を婚姻費用として受け取ることができます。
ですから、相手には愛情は全く残っていないけれど、できる限り離婚を引き伸ばしたい、別居状態でいたい、と考える人もいます。
婚姻費用は各家庭によって異なりますが、収入が高い場合、当然婚姻費用は高くなります。
裏を返せば、収入が多い側の人には別居の大きなデメリットと言えるでしょう。
これまで義両親と同居していた場合などは、別居のメリットはたくさんあります。
相手の家族に対して気を使わなくていいのは、大きなメリットですよね。また介護などがある場合は、別居することでだいぶ楽になります。
他人と住むのは楽しかったり心強かったりするものですが、自分ひとりで生活するのはとても楽なのです。
寂しさに耐えられない人にはともかく、他人の面倒を見る必要がなくなる、というのは大きなメリットです。
別居するということは夫婦関係がうまくいっていなかったという証です。
別居することで、口論したり相手の存在そのものに苛立ったりする機会が減ります。ストレスを大きく軽減できるでしょう。
これまでは相手がいつ家に帰ってくるのか、などを気にする必要がありましたが、別居となれば、自由です。
自分の時間を自分だけに使うことができて、ともに暮らす相手に合わせて自分の時間を失うことがなくなります。
1人で暮らす生活に入ると、誰かと暮らすことが難しくなる所以でもあると言えます。
離婚すると、子供の苗字が変わることも考えられます。すると子供の友人、クラスメイトなどにもなんとなく両親が離婚したことが知れるでしょう。
そのため、子供を取り巻く環境が変わってしまうことも考えられます。
そういった子供に対する影響を減らしたい、という場合、別居は好都合です。もちろん影響はゼロではありませんが、比較的に子供への影響を抑えることができます。
離婚せずに、別居の選択を取るメリットを解説しました。
離婚には離婚のメリットがあり、別居には別居のメリットがあります。
これらのメリットは、裏を返せばデメリットになることも多いため、選択にあたって何を優先するかはっきりさせておくほうが良いでしょう。
別居検討中の方に、少しでもご参考いただければ幸いです。