不倫は犯罪になる？違法行為になる不倫とは

芸能人や政治家の不倫が、大きく報道され、バッシングを受けている様子を見ることはしばしばあります。

また、そのように報道の矢面に立つ仕事をしていなくても、不倫をしたことで社会的な信用を失い、逃げるように勤め先を去る人もいます。

公務員では、職種によって不倫が懲戒処分の対象となることもあります。

このように、不倫はしてはいけないことだ、と多くの人がさまざまな形で認識しています。

ですが、不倫は珍しいことではありませんし、欲望に負けて不倫してしまったということはよく聞くことです。

不倫のペナルティが人によってはかなり大きくなることは知られています。
ですが、不倫は、犯罪や違法行為に当たるのでしょうか？

今回は、不倫は犯罪になるのか、について簡単に解説していきます。
不倫は罪に問われる行為なのかが気になる方は、本記事をぜひご覧ください。

不倫は犯罪になるの？

まずは、不倫は犯罪になるのか、について解説していきます。

結論から言うと、不倫は「犯罪」ではありません。

「犯罪」とは、簡単にまとめると、法によって「刑罰が科される」行為のことを呼びます。
窃盗、傷害、殺人などは、刑法にその行為の内容と科される罰が決められています。そこに定められた行為を行うと、裁判を受け刑罰を受けることが決められています。

一方、不倫（不貞行為）は、民法に定められている「違法行為」です。しかし、そこに刑罰は定められていないため、日本国内の法律では「違法行為」ですが「犯罪」とは呼べません。

かつては刑法に不倫に対する刑罰を定めた姦通罪という罪がありましたが、それも今はなくなりました。

法に定められる不貞行為というのは、セックス、またはそれに類する行為を指します。
つまり、性的な行為を伴う不倫であれば、「犯罪」ではありませんが、「違法行為」にあたるのです。

この不倫は違法行為になるの？

では次に、具体的にどういったケースの不倫が違法行為になるのか、について見ていきましょう。

１.　性行為を行うだけの関係で、気持ちはない

不倫というと、お互いが惹かれあって、どうしようもなくなって始めてしまうような関係であるイメージがあるかもしれません。

では、気持ちはまったくなくて、性行為だけ行なっていた、という場合はどうなるでしょうか？

答えは、違法行為だとみなされます。
気持ちがあろうがなかろうが、法律上、不貞行為をおこなうことは違法行為です。

これはある意味、当たり前のことだということができます。なぜなら、二人の間に気持ちがあったかどうかなど、裁判の場で第三者に知りようがないからです。

２.　自分が独身で、相手が既婚者なことを知らなかった

では、自分が独身で、既婚者と知らずに付き合ってしまっていた場合はどうでしょうか？

いわゆる不倫を気がつかないうちにしてしまっていた、というわけなのですが、こういった場合、こういった場合、違法行為が成立しないとみなされます。

既婚者だと知らなかったことが立証できれば、故意も過失もなかった、ということになります。

この場合、責めは既婚者であることを隠していた人間が一身に負うことになるでしょう。

３.　デートをしていたが、肉体関係はない

では、デートをしたり、手をつないだりはしていたけれど、肉体関係はない、という場合にはどうなるでしょうか？

この場合は、違法行為にはなりません。

なぜなら、違法行為になるかならないかの境界線は、肉体関係があるか否か、つまり不貞行為があったかなかったか、だからです。

デートや手繋ぎ、キスなどは、浮気だと感じる人が多いでしょう。ですが、肉体関係がないならば、違法行為には当たらないのです。

４.　風俗でサービスを受けた

肉体関係が違法行為になるならば、風俗でのサービスはどうなの？ と疑問に思った方もいるでしょう。

これについては、サービスの種類や回数にもよります。

性的な行為とみなされる接客を頻繁に受けていた、という場合、違法行為とみなされる可能性があります。

不倫は民法上の違法行為。離婚や慰謝料を求められる可能性がある

不倫は民法上の違法行為に当たるため、肉体関係がある場合、離婚の請求や慰謝料請求などをされる可能性があります。

訴える側の場合には、浮気の証拠をきちんと揃えておく必要があります。

浮気の証拠は肉体関係があったと示す証拠である必要があるため、ラブホテルや不倫相手の自宅への出入り写真などが望ましいと言えるでしょう。
不倫の慰謝料の相場は、５０万～３００万円とばかにならないので、証拠を揃えてきちんと請求しましょう。

また、不倫をしている側は、その不倫が、離婚のリスクは、慰謝料を請求されるリスクをはらんでいるということを自覚しておき、その不倫がそこまでのリスクを負ってでもしたいものなのか、について考える必要があるでしょう。